あれから数日、また重症のiPhoneが運び込まれてきました。
このiPhoneも、ご覧の通りベゼル（フレーム）が曲がって割れてしまうほどの状態ですから、一瞬「これはまた・・・」と思ったのですが、バックライトがほんの少し光ってくれたことで、かろうじて電源が入ることだけは確認することができました。
つい先日、同じようなiPhoneを修理することができずに悔しい思いをしたばかりだけに、「電源が入るなら希望はある。今度こそ絶対に修理する！」と、スタッフ全員がこのiPhoneを救うべく、全力で修理にあたることになりました。
とは言え、この状態ですから内部の損傷はかなりのものだということは、容易に想像できます。
お客様はフロントパネルの交換をご希望されていたのですが、正直なところそれで修復できるレベルではありませんので、内部に損傷がある可能性が高いこと、ベゼル（フレーム）も修復だけで使えるかどうか分からないことを説明させていただいた上で、作業を進めるなかで部品交換が必要になった場合は、お客様と相談しながら作業を進めていくことになりました。
作業をはじめてまず行ったのが、基盤が使えるかどうかの確認です。
もし基盤がダメになっていれば、その時点でお客様の予算をオーバーしてしまいます。
先日のiPhoneは基盤がダメになっていたため、その時点で諦めるしかありませんでしたので、祈るような気持ちで基盤の状態を確認したところ、多少の歪みは出ていたものの使えることが判明。
基盤さえ無事であれば、あとは全てのパーツが揃っていますので、どんな故障でも修理できます。
作業を再開し、電源ケーブルなど、外傷のあるパーツはすべて交換しましたが、問題は「外傷はなくともダメになってしまったパーツ」がどれぐらいあるかです。
こればかりは、組み直して起動させてみなければ分かりません。
祈るような気持ちで組み直し、電源を入れたのですが、電源は入るものの通話ができません。
この時点で１時間程度過ぎていましたので、約束の時間までに修理が終わらないことをお客様に報告させていただいたところ、快くお待ちいただけることになりました。
時間をいただいた以上は必ず修理しなければなりません。
他に不具合がないか徹底的に調べた上で再度分解、不具合があると思われるパーツを交換し、再度組み上げて最終チェックです。
ありとあらゆるチェックをし、すべてＯＫ。
思わずハイタッチしてしまいました。
正直申し上げると、いくつかの部品を交換しましたので、お客様のご予算をオーバーしてしまったのですが、途中からは「ここまできたら絶対に直す！」という意地で、採算を度外視して作業を続行させていただきました。
そんなことはお客様に関係ありませんので、もちろんお約束していた料金だけいただきましたが、たとえ赤字でも良い勉強をさせていただいたと共に、先日のリベンジができたこと、そして何よりもお客様の笑顔が見れたことに大満足です。
2時間半を超える大手術で担当スタッフも疲れ果てていましたが、何とも清々しい一日でした。
今日も一人でも多くのお客様の笑顔が見れれば良いなぁ。
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